漆を、はじめて扱った

想像以上の粘性に戸惑う

 

漆塗りのお皿に、絵付けをさせてもらったのだけれど

想像以上にむずかしく、そしてたのしかった

 

最後に絵筆をもったのは10年以上前だということに、ふと気づく

高校では音楽選択だったから、絵を描くのは中学の美術の授業ぶりだ

色をどう混ぜたら何色になるのか、まったく覚えていなくて、笑われる

途中からは諦めて、

色のプロ、こと親友に「この色をつくりたいです!」と宣言することにした

それだと赤が多いよ、とか、白を足して、とか超絶的確なアドバイスをもらえて最高

 

創作は、すきだけれど、上手くはない

絵は、自然や人を描くよりも、図形や色相環を描くほうが性に合っているようで

自然も花も人も、描きたいイメージはあるのだけれど

思い通りになったことがない

 

だから、絵付けをするときも

どちらかと言えば、図形や記号に近いかたちで

好きなものを表現しようと決めた

 

こういうことを考えられるようになったところに

経験と成長と自己理解の深まりを感じる

 

本番よりも練習がうまくいくのはいつものこと、でも、やっぱり笑っちゃう

練習をお皿に張り付けられたらいいのにとぼやいた

 

うまくいかないのは当たり前かもしれないけれど

せめて、自分の描くイメージには限りなく近づけたい

点、1つのゆがみが気になって仕方なくて、どうしても許すことができず

やり直しも出来ますよという言葉に、なんと3回も甘えた

 

長い人は1時間くらいやっていますね、と言われたのだけれど

なんとびっくり、3時間かかった

最長記録だそうです

いや、もう、なんか申し訳ないし、笑った

そしてほとんど同じ時間をかけていた親友、あなたもすごい、示し合わせたように同じだけかかった

妙に納得する これだから親友なんだろう

 

3時間かけて描きあがった図柄は、うん、私にしてはまぁまぁの出来

納得できないところもあるけれど、87点くらいかな、上出来だ

2週間ほど乾かしたら、手元にやってくる、たのしみだ

 

あらたな世界が広がった日

本当にたのしかった

声をかけてくれた親友には、ひたすら、感謝

 

自分の世界を、ほんの少しずつでも

広げてゆけたら