落ち葉がワサワサと降り積もる晩秋
朝にも昼にも夕にも、ひたすら落ち葉を掃いている
職場向かいの大きな公園から、果てしなく降ってくる色とりどりの葉。
おかげで、90ℓのごみ袋が一瞬でいっぱいになってしまう
(いったい何百本あるんだろうね、この公園の木…)
毎年悩みのタネだけれど
この落ち葉掃きが、実はすこし、すきだ
掃いているときの、かさついた感じ
自然のものだけが持つ、驚くほど美しいグラデーション
集めた袋のなかから香る、土と樹の、ゆたかな匂い
いつも水分たっぷりの自然が、からりと乾いて、
どこでもかしこでもサクサクと音をたてるのが
晩秋、あるいは初冬らしくて、いいなと思う
去年の今頃だったか、森のなかで金色の葉が降る光景をみた
まるで雪のように、桜のように、はらはら落ちるのが美しくて、
夢中でシャッターを切り、落ちてくる葉に手を伸ばした
夕日をうけて金色にかがやく落ち葉が、こんなに美しいなんて。
あの息をのむほど美しい、映画のような景色を一緒に見てほしかったな、と今も思わずにいられない
たぶん、あの光景を忘れることはないだろう
またいつかあの瞬間に出会えるだろうか
そんなことを思いながら、今日、三度目の落ち葉を掃く
あの時も、こんな香りがしていたな