レミオロメンの『粉雪』がラジオから流れてきて、
ふっと窓のむこう、灰色の空を眺める
今にも雪が降りそうな空
一日三回の落ち葉掃除を余儀なくされていた木々は、ほとんどの葉が落ちた
葉のない冬のあいだは、空が広い
四季の変化は本当にめまぐるしくて一日だって同じ日はなく、
そのことに心底絶望し、そしていつだって癒されている
『粉雪』が流行っていたのは、中学生のころだっただろうか
当時は歌詞のうわべをなぞっていただけだったけれど、今なら、わかる気がする
些細な言い合いもなくて同じ時間を生きてなどいけない
素直になれないなら喜びも悲しみも虚しいだけ
僕は君の心に耳を押し当てて
その声のする方へすっと深くまで
下りてゆきたい そこでもう一度会おう
粉雪 ねぇ 永遠を前にあまりに脆く
ざらつくアスファルトの上 シミになってゆくよ
手でふれれば一瞬で消えてしまう粉雪も、しんしんと積もれば銀世界になる
降りやむことがなければ、積み重なり厚みを増して、
いつか強固な氷山になるのかもしれない
雪がやみ、放っておけば消えてしまうから
毎日、少しずつ、降りつづけてくれたらいいのに
しんしん、しんしん、と